過多な情報により何でもありの時代….でも、それらをデメリットではなくメリットとして受け取りたい! そして、そんないまだからこそ、より独自性を大切にする “インディビジュアルの時代” に入っているのでは!?
かつてはその時代に一世風靡したスタイル(ディオールのニュールック、70年代のヒッピールックなど)に、すべてが流れ込んでいきました….現代はファッションもインテリアも、ミニマル、ロマンティック、エスニック、エレガンス&スポーツ….毎シーズンさまざまなトレンド傾向があるなかで、いまを生きる個々のデザイナーやメゾンが、何を感じ、何を目指すかで表現方法が違います。たとえ同じ素材を使っても、フレッシュな若々しさにあふれていたり、スーパーフェミニンだったり….
そのインスピレーションのもとは、アート、映画、本、旅、フード….いくらでも、どこにでもあります。そんなことを考えながら、今年もインテリア&デザインの祭典 “ミラノサローネ” を歩きました….
毎年、サローネは B&B のショールームからはじめるのが習慣に。オリエンタルをいろんな意味で新解釈した新作家具
インテリアで提案するカラーやマテリアルからトレンドをキャッチして、ファッションに取り入れるのも楽しみのひとつ。朱色でもない、ボルドーでもない、この独特のブラウンカラーが新鮮で、サローネ終了後、同じ色のマニキュアをすぐにゲット♪
ANIMAL HOUSEと題して開催されたマルニのインスタレーションは、可愛い動物たちがあちこちに登場
コロンビアの女性が、せっせと手で編みながら作る椅子は、マルニらしいカラーバリエーションとフォルムの集大成
居住空間や個々のパーソナリティによって、デザインの組み合わせ、チョイスは自由自在! (MARNI SHOWROOMにて)
サローネ期間中はショップと変貌したギャラリー
パッケージ・デザインも含むおしゃれなスカンジナビア製品が並んで….
Altea+Galleria Nicolaquadri http://www.altea.com/
ETROがホームコレクションだけを集めたブティックをオープン♪
ETRO HOME (住所)Via Pontaccio 17-Angolo Vicolo Fiori Milano
セレクトショップのウインドーもサローネ期間中はデザインコンシャス!
家具に使う素材!? 深紅のドレス
MISSONI HOME ×リチャード・ジノリのカラフルな食器たち
賑やかなパーティがはじまり….
ブランドの創業者ロジータ・ミッソーニの姿も! その隣にいる着物姿の女性は、セレクトショップ Wait and See オーナーのウベルタ
ウベルタのセレクトショップもサローネ期間中はDesign and More!
折り紙アーティスト uros mihic のインスタレーション(Wait and Seeにて)
20年代のパリがカムバック!? クリスティーナ・ティの小さなブティックでも小さな展示を開催
ファッションブランドとよくコラボレーションするメーカーのために elena cutolo がデザインしたオブジェ
altreforme http://www.altreforme.com
マリメッコの人気柄 UNIKKO が50周年アニバーサリー♪
ミニチュアのベッドがウインドーいっぱいに….
ディテールに注意せよ! ルーペでしっかり細かいチェック SOCIETY http://www.societylimonta.com
老舗ヴィンテージショップのカヴァッリ&ナストリのウインドー
ヴィンテージ調のファブリックを使った家具
店内にカラフルなアイスキャンディが並んで…. Cavalli e Nastri http://www.cavallienastri.com
エミリオ・プッチ× BISAZZA
モザイクタイルで有名なメーカーと…..美しい色彩、プリントでジェットセッターやセレブリティを魅了するブランドが夢の競演!
セルジオ・ロッシはサローネ期間中にメイド・トゥーオーダーエディションのスニーカーコレクション「トーテム」を発表
ブレラ地区にある素敵な家を舞台に静かにひそかに開催
60年代後半のイタリアの前衛的な美術運動 ARTE POVERA(アルテ・ポーヴェラ)への賛辞を表現したコレクション
16世紀に建てられた教会で開催されたインスタレーション「イタリアの湖」
光と陰が美しいテーブルはイタリアに実際に存在する湖のカタチ
日本人の繊細さ、シンプルなアイデアとミニマルなデザイン…. ヨーロッパで高い評価を得ている NENDO
H&M グループのブランドである COS とコラボレーション
若手デザイナーから老舗メーカーまで、アルチザン(職人技術)というよりも、もっと素朴なハンドクラフト(手の温もりが感じられる)作品が目立った今年。どこかにハンドスティチを施す、端正に作り込みすぎず、手で作ったような温かさのあるデザイン…..そこにインディビジュアルを垣間見ることができます!
安全ピンをつなぎ合わせたハンドクラフトの照明。レトロなデザインがGood♪
SARAH COLSON http://www.sarahcolson.com
今年はロッサーナ・オルランディのギャラリーと、彼女が監修する美術館で見ることができたヤコポ・フォッジーニの照明
作品はすべて手作りで一点モノ
ファンタジーを爆発させたソファ
いたるところに手仕事の形跡が….ものスゴい迫力!
仕事で使う椅子だって、ロマンティックに変身!
1958年に Charles and Ray Eames がデザインした名作に、昔からあるモチーフのフラワー柄を刺繍(タトゥー)した作品
HOME / OFFICE http://www.catalandeocon.com
オランダからやって来たアーティストとデザイナーのデュオは、伝統的なハンドクラフト技術をいかしたリミテッドエディションの作品を発表
100%ウールフェルトを使用。インテリアのアクセントにいかが!?
WANDSCHAPPEN http://www.wandschappen.nl
ガリバルディ駅周辺は新しいスカイラインとして注目されているエリア
そこで開催された TOG のフレッシュな新作家具
えっ、帽子のカタチをしたスツールですか!? 誰もが楽しくカスタマイズできる! をコンセプトに….
TOG http://www.togallcreatorstogether.com
これまでの固定概念をこわすという試みも、多くのデザイナーが積極的にして….クラシックな服や家具にネオンカラー使い、柄も色もわざと不揃いの三つ揃いスーツ、重たい家具を見た目も軽く作るなど…..見る者をただ驚かせる、ハッピーにさせるというよりも、もっとポリシーやポエジーが隠れているモノづくり!
CASSINA のショールームとセレクトショップ 10 CORSO COMO のギャラリーでは、フランスの建築家、シャルロット・ペリアンにオマージュを捧げるインスタレーションと写真展を開催
シャルロット・ペリアンの代表作 LC4 CP CHAISE-LONGUE ×ルイ・ヴィトンのコラボレーション(CASSINAのショールームにて)
30年代にシャルロット・ペリアンが撮影した貴重な写真と彼女がデザインした作品を展示
デザインやプロジェクトにおける大切なインスピレーション源だった写真は、アート作品ともいえるぐらい、デザイナーの鋭い視点と感性が見受けられて(10 CORSO COMOのギャラリーにて)
EXPORT というネーミングの家具シリーズはとってもユニーク!
輸出用の梱包がなんと家具に! SELETTI http://www.seletti.it
1913年から続く、パン職人の毎日の仕事にそっと寄り添っていた小麦粉の袋が….
使い手のカラダにあわせて変形するチェアに!
日本の企業もサローネに参加。チタンの真空カップシリーズは、ヨーロッパの美意識の高い人たちに人気♪
チタン表面の酸化被膜の厚さをナノレベルで変えることにより、チタン表面の光の反射が変わり、色がついているように見える幻想的な作品 SUS gallery http://susgallery.jp/
2003年にデビューしたデンマークのインテリアプロダクトブランド HAY(ヘイ)
50年代~60年代の素晴らしきデンマーク家具デザインを大切にしながら、さらに革新的でコンテンポラリーなデザインを取り入れて
商品開発に使うカラーパレットも独特で新鮮! どちらかといえばファンションの視点に近いかも….
今年のサローネでいちばん気に入った、アンティークとデザインを融合させた家具コレクション「THE BLOOMING SKYLINE」
昔からあるようなフォルムやデザインに、木の温もりとプレキシガラス(アクリル樹脂)のツイストがモダンなコーヒーテーブル
武骨な雰囲気のシャンデリア。でも…..
照明の真下にあるテーブルにスライドが映るロマンティックな仕掛け
HILLSIDEOUT http://www.hillsideout.com
アートのように花を飾りましょう♪
世界中で使われているカラフルなビニール袋をぎゅっと詰めて….
センスよすぎっ! 半分/陶器、半分/キャンバスに描いた油絵
この作品は、新しく銀座にオープンした Weekend Max Mara の店内ディスプレイにも使われて!
LITTLE OWL http://www.littleowl.eu
1.5×10 mのストリート・プリントが圧巻!
デザイナーが、10年以上前から集めている誰かの落としモノや街で拾ったモノ…..
長い月日が経ち、いまでは使用されないモノや作られていないモノ…..
ノスタルジー&ポエジーな作品として評価したい!
伝統工芸のクラシックモチーフであるフラワーをテーマに、モダンな感覚で表現した “いけばな”
20年前のヘルムート・ラングのジャケットだって、マルジェラのドレスだって、いま着てもちっとも古さを感じないリアルなスタイル。そんな時代を知っていて、いまを楽しんでいる個々の女性は、今日はスポーティなジャケットを着る、明日はフェミニンなドレスを着る….ヴィンテージだって、新しい服だって、その日の気分でスタイルMIX….それがインディビジュアルということ….