待ちに待ったミラノ国際博覧会(以下、ミラノ万博)が5月1日ついに開幕。これから184日間は「地球に食料を、生命にエネルギーを」というテーマで、未来の食のあり方を地球規模で考える絶好の機会!
世界から148カ国、地域と国際機関が参加するミラノ万博
参加国はそれぞれ創造豊かなパビリオンで自国の食文化の豊かさや生産&栽培活動などをアピール
名物料理や名産品をテイスティングできるスペースも充実
市内のデパートやショップは積極的にいろいろな商品を展開。これから展覧会やコンサート……ミラノ万博にちなんだ約2万3千のイベントが市内で開催される予定
「ところで、もう行った?」ファッションやデザイン関係者のあいだで話題が飛び交うのは、5月9日にオープンしたばかりのプラダ財団の複合文化施設
いま、いちばん注目を浴びている新スポットは、複数の展示室のほかシネマスペースを擁する
まるでアートの遊園地!
総面積19000㎡もある巨大な敷地。とにかく広いので、迷ったら足もとの館内地図をチェック!
20世紀初頭に醸造所だった建物に新しく3棟が加わり、新旧の建築が対照的
南ギャラリーの展示「An Introduction」。この他、北ギャラリー、貯水槽のスペースにてプラダが所蔵するコレクションを展示するプロジェクトが同時にスタート
宮殿で見かけるようなつづれ織りのタペストリー。でも、もっと気になるのは…..
むかし倉庫だった場所にパーキングされた車…..
貯水槽のスペースでは三部作の展示
イギリスの現代美術家ダミアン・ハーストの作品「LOST LOVE」
金色の建物内では、ロバート・ゴバーとルイーズ・ブルジョワの常設展示を予約してから見学可能
昔の工場だった面影を残しながらアートな空間に
ルイーズ・ブルジョワは自身の少女時代からインスピレーションを受けた作品が多い
東京の六本木ヒルズにある巨大な蜘蛛のブロンズ像もブルジョワの作品
プラダ財団の複合文化施設オープニングを飾ったメイン展示「Serial Classic」
世界中の美術館からギリシャとローマの古典彫刻が集められた
ローマ時代に古典彫刻が大量生産された理由や模倣のコンセプト&ノウハウなどをわかりやすく説明していく展示方法もさすが!
現在どこに存在するのかさえもわからないオリジナル(本物)の古典彫刻の曖昧な輪郭
古典彫刻の大量生産のおかげで、完璧な模倣品(美術品!?)を見ながら“存在したであろうオリジナル(本物)”を想像することができる
この展示室はポディウムと呼ばれる。ポディウムとは古代の神殿などが建つ高い石造りの土台、基壇のこと
北ギャラリーの「InPart」展。プラダのコレクションから、ボディの一部分をテーマにした作品をチョイス
マン・レイの作品。このアーティストの手にかかればエロティックなテーマさえ気品が漂う
ドメニコ・ニョリの作品。ディテールへのこだわりやポップ&シュールな作風がGood!
新施設のもうひとつの話題は、あの映画監督ウェス・アンダーソンがデザインした「Bar Luce(バー・ルーチェ)」
アンダーソンが「映画のセットとしても、脚本を書くにも素敵な場所。僕自身がノンフィクションの午後を過ごせるカフェにしたかった」という店内
1950年代のイタリア映画をインスピレーションに、細部にこだわったディテールが必見!
Fondazione Prada www.fondazioneprada.org/
刻々と変化する世界や人間の思考を一歩深く理解するために、文化に根ざした活動を目指すプラダ財団の複合文化施設。世界に新しいアートの風を運んでほしい……これからの展開に期待したい!