MILANO

ミラノサローネがカムバック・パート1

2020年はコロナ禍で中止になり、昨年9月はさまざまな規制のため
あまりパッとしなかったミラノサローネそして迎えた第60回ミラノサローネ国際家具見本市
262,000人以上の来場者が会場を訪れ、予想をうわまわる結果に

もちろん、市内のあちこちで開催された新作発表会や
インスタレーション、イベントにも数多くの国内・海外の関係者が集まった店内に入りきれず、人で溢れかえった老舗バールBASSO
ミラノデザインウィークの夜は長いのである

ルイ・ヴィトンはインテリアコレクション「オブジェ・ノマド」を
誕生から10周年の本年、1930年代に建てられた歴史の古いガレージで展示伝統的なヴェネツィアン・ランタンにモダンなひねりを加えた
マルセル・ワンダース スタジオの「Venezia PM」

英国を代表するデザイナーのトム・ディクソンが
企画展「TWENTY」を開催2002年に自身の名を冠したインテリアブランド
Tom Dixon (トム・ディクソン)を設立してから今年で20周年インテリアデザイナーとして多方面で活躍してきた
トムの道のりを振りかえる素晴らしい機会にシャンデリア「MELT」をはじめ
代表的なデザインピースの数々

さらに未来を見据え、
サステナブルなイノベーションに焦点を当てた新作も展示デザイナーの手前にある作品は
デンマーク産の甘藻を使用した「バード・チェア」ちなみに会場に選ばれたのは、
世界最大のアート & ラグジュアリーアイテムのオークションで有名な
サザビーズがミラノにギャラリーとオフィスを構える
宮殿パラッツォ・セルベローニサザビーズがデザインオークションに出品する作品を入札前に一般公開
ジオ・ポンティ、ルーチョ・フォンタナなど貴重な作品もプレスプレビューのときに、中庭でふるまわれた五感を刺激する
飲みものとお菓子パーティのバックステージ
エレガントな作業風景にうっとり

市内のショールームで新作家具 & アクセサリーの発表をした
アルマーニ / カーザ「ここ数年、私はアルマーニ / カーザをデザインする時、
自分のスタイルの本質的な部分を表現することに焦点を合わせてきました」

「ファッションと同様に、アルマーニのスタイルを定義する
基本的な要素を再確認する必要性を感じているのです」
by ジョルジョ・アルマーニ

飽くなきデザイン性の追求、リッチなマテリアル、
様々なカルチャーをミックスする
ジョルジョ・アルマーニのブレない創造力が
今回も存分に発揮されて

ミラノサローネの1週間は昼も夜もスケジュールがいっぱい
おいしいものを食べて元気をもらうのが1番! ということでスイスに移住した友人のハンスもリサーチでミラノに来ていたので
ハンスとマルコ(夫)と私の3人でプラダのレストラン TORRE (タワー)へご覧の通り、フューシャピンクの
エレベーターに乗り込みフューチャリスティックな雰囲気に興奮しながら
プラダ財団のミラノ施設に建つタワーの6階へレストランに到着してすぐに
「うゎードゥオモが見えるね、あっちは自宅だね」
と完璧におのぼりさん。高層タワーはミラノでは珍しいのであるサンセットの時間
テラス/大きなウィンドウからミラノの街を楽しみつつ
スプマンテを飲む、なんてワルくないかも
いやいや全然アリでしょう😊ジェフ・クーンズ、ルーチョ・フォンタナ、
カーステン・ホーラーなどレアなデザイン家具やアートワークが
ちりばめられたレストランのインテリア

シェフのロレンツォ・ルンギが提案するのは
彼のルーツであるトスカーナからはじまるイタリアン料理前菜のタルタルステーキ

マルコが注文したプリモ
イカ墨パスタとボッタルガとペコリーノチーズ

メインはタコとベルギーエンダイブ(マルコ)
鳩とトレビスを私がトライ!決して主役ではないのに、
野菜のあつかいが繊細でシャレていて
野菜好きの私としてはうれしいかぎりラストのデザートは
ホットチョコレートソースがたっぷりかかった
パンナコッタ TORRE

陽光が煌くポーセリンのプレート‘軽やかさ’ をもとに着想した
エルメスのホームコレクションさて、今回のみどころはなにかというと、
はじめて ‘テキスタイル’ が主役に□

ジャン=パオロ・パニのデザインから
インスピレーションを受けた
グラフィックのプレード「コンストラクション」

グラフィカルな要素をカシミア素材で直接表現するために
カシミア製のパネルをかがり直す
というクチュール技を用いている六角形の幾何学模様をあしらったベッドカバー「サーフェス」
パッチワークとキルトという
緻密な技術を組み合わせたカシミア製軽やかさを感じさせる照明器具
透過性のあるマテリアルがかもしだすやさしい光の戯れ素材とカラーのバランス、軽さのあるデザイン、
革新的な手仕事。こうして生まれる軽やかな作品は、
時を超えて受け継がれるエルメスのアイコンモチーフ
のようになるのかもしれないエルメスの会場(屋外)で
夏の陽光に包まれてそれにしても、ミラノサローネ後半は
きれいな花たちがかわいそうなくらいめちゃくちゃ暑かったつづきはまた今度のお愉しみ