MILANO

そろそろ いいかも

東京からミラノに帰って、ひとり思う。ささっと小走りに通りすぎる東京は非現実、てくてくマイペースで歩んでいくミラノは現実。私は非現実と現実のはざまを、いったりきたり
日々の生活はなんだかんだ慌ただしい。でも、今日という1日をより豊かに、より丁寧に! と考え、努力するようになってから、少~しラクになった
できるところまでがんばる、もしできなかったら次の日、またその次の日にやればいいってだけのこと。大事なのは前向きにがんばろうとするスタート地点
写真家マン・レイの作品。「リップに手を添えるしぐさ。決して若くないヒトの手がこんなに美しいなんて!」と、あこがれた10代のころ。そろそろ(あたしも)いいかも。年齢にびくびくしたりせず元気に年を重ねたい!
ロッサーナ・オルランディが表紙を飾る雑誌「Surface」。インテリアデザイン界のカリスマ、若手デザイナーのパトロンは〈好き〉という気持ちを大切に、デザインという波に乗っている
可愛いおばあちゃんになりたい! 骨董市で見つけた一枚の写真。おばあちゃんだけを覗き見したくて、画用紙の一部をまるくくり抜いて、写真の上に重ねクリップで止めてみた

意識してるのかしてないのか、インテリアの隅々におばあちゃん柄&色

生活のなかにちょこっとあるとホッとする

美しいものに時間という魔法をかけた静物画や動物の剥製、貝殻、化石、鉱物が好き

おばあちゃんになったクマ
くたびれてるけど愛嬌があっていい

イソップからルーム・フラグランスが登場
ゼラニウム、フランキンセンス、パチュリの独特の香りが、素敵なインテリアに囲まれたおばあちゃんの家を想像させる

アニエス・bが撮影したロンドンのハイドパークの写真を転写プリントしたスカートとインソールが赤のナイキスニーカー
ラスト・チャンス! 夏のセールで買うものは、流行とかじゃなくて〈好き〉を優先。もしくはスタンダードなものを
肌馴染みのよい明るいグレーの細身スウェットはDrawerで

ヴィンテージのミュウミュウ
そろそろ(あたしも)いいかも。足もとを遊べる余裕をもったり、さらに自由におしゃれしたい!

エルメスが仕掛けたスペシャルなイベント
ディエトロ レ クィンテ(舞台裏)
エルメスが誇るバッグ、スカーフ、時計やジュエリーなど。それらに携わるエキスパートたちがミラノのブレラ地区に集まった  「どのような行程を経て作られるのか」とか「外見からはわからない作り手たちの創意工夫」などなど、エルメスの丁寧な手仕事を垣間見れるわくわく体験が
ダイヤモンドを貴金属に固定する石留め職人

「どれどれ、拝見させてちょうだいな」おばあちゃんが目をキラキラさせて顕微鏡を覗く

もくもくと作業する職人
質問です。この女性は何を作っているのでしょう?
ヒント1。カラフルな糸
ヒント2。ケリーバッグ

そうです。答えは皮革職人でした
彼女の手もとに視線集中!
どのコーナーよりも注目を浴び、いちばん質問が飛び交っていました

磁器絵付け職人のコーナー
カラフルなパーテーションで空間にメリハリをつけて

エルメスの職人は美しい女性が多く、職人=頑固おやじのイメージまったくなしです
カラー、モチーフ、テクスチャー、そして身につけたときの高揚感。どれにしようか迷う、どれも傑作のスカーフ

これらスカーフの縁かがりをする職人

ネクタイ縫製職人だっています!
仕上げに2つの特徴があるエルメスのネクタイ。ひとつは手縫いで、もうひとつはたった1本の絹糸ですべらせるように縦に縫っていく仕上げ方法

アーティストが手描きした実物大の原画
これをシルクスクリーン製版職人が400~600時間をかけて正確にデジタル化
華やかなスカーフの裏に秘めた果てしない時間と忍耐
職人万歳! エルメス万歳! そろそろ(あたしも)いいかも。どこで、どのように作られているのか。ものへの思いを馳せることで、よりパーソナルで素敵な出会いがありそう!